最後の夏休み、長野へキャンプにいった思い出を書くことで味わい直す。
[:目次]
①はじめに状況を・・・思い入れと現状。
②あとは思いつくままに・・・感じたことを青臭く書く。
③自分に対する励まし
[:目的]
人生における少ない美点たるいい記憶を微に入り細にわたって洗いおこし強固な記憶にする。
[:本文]
①はじめに状況を
大学5年生(留年)、学生最後の夏休みに、長野へキャンプ(いやグランピング)へ行った。メンバーは地元の同じ中学の男3人と女5人。
今回の旅行の前提におかなければいけない思い出がある。
2年前、つまり大学3年生の夏休みに同じメンバーで長野キャンプへ出かけている。メンバーの一人と、キャンプにでも行きたいねと話をして、参加者を募ったらあれよあれよと8人手があがり、しかもちょうどよく日程が合って実現した。
人間は21歳のとき、いちど人生のピークを感じるというが、まさしく人生の頂点を極めた数日間だった。
中学卒業以来会っていなかったメンバーもいる中で長野へ出かけ、キャンプ場の夜はものすごい星空と流れ星に胸を躍らせ、人目も憚らずキャンプ場で大音量で音楽を流し熱唱。
テントの隣で深夜まで人狼をやったときは、どことなく中学時代の修学旅行を思わせるような感傷の気分が起こった。
まあそんなこんなで、おのれの若い生命をこの上もなく解放したとても楽しい記憶だった。
夏休みは終わり、秋が来て冬が来て、2021年、就活が始まった。
コロナで大学仲間との関係が遮断されていたこと、大学に行ってなかったこともあるが主におれが馬鹿だったので、就活についてほとんど真剣に考えてなくて、3月に始めた就活でボロボロになった。
そして結局留年もした。
この8月まであれから2年経ったわけである。メンバーそれぞれにも就活やらなにやらがあったりで、以後メンバー集合することはなかった。
8人で集まってキャンプだなんぞ、もうあれが最後だったろうな、もう無理だろうなと諦めた矢先、なんとまた実現した。
まる1年以上の就活状態でボロボロで、しかも特に夏予定のなかった俺はこれだけのために日雇いバイトで金を貯めていた。
②あとは思いつくままに・・・
2年ぶりに集合し、でかい乗用車で長野へ向かった。メンバーの近況はいろいろだった。今社会人一年目の者や、ワーホリ、留学を控えた者など。
8人集まって、ほとんど他愛のない話題でそれぞれの将来に突っこんだ者がいなかったのは、多分気のせいではない。
キャンプ場で、火をおこしているとき、揺れる火をかこんで見つめているとき、最高だと思った。
ふと思い立って、少し離れたところから7人を見つめた。揺れる日の周りに、7人がワイワイ楽しんでる。
就職活動や留年など、いろいろな失敗を通して、さすがに自分のことをいろいろ考え巡らせている。
今はたしかに俺はすごく若いといえる。しかし、大学という時代は終わり、これから若くない年齢と経歴に向かって進んでいく。
それはこの7人にとっても同じこと。こういう仲間で、こういう感情になれるのもいつまでなのか。
俺は歳をとってもこんなふうに楽しい時間を持てるか。
そういう気持ちで彼らを眺めていたら切ない気持ちになって、それから家に帰りたくなさすぎて、一人で暗い喫煙所まで行って泣いた(多分情緒不安定に陥ってる)。
貸し切りサウナに入った。
サウナの中でみんなで「思考ゲームをしながら耐久」し、限界まで耐えてからこれまた貸し切り水風呂に飛び込んで、リクライニングチェアに横になる。
心臓の鼓動を目一杯に感じる。見上げた星空がグラグラとまわって見える。遠くなった耳がぼんやりとコオロギの鳴き声に満たされていく。
サウナをわりとしっかり愛好しているが、今回が人生で最も整った(キマった)サウナだった。
宇宙と自分たちしかないような恍惚感のまま漂うように椅子にしばらく横になった。
「宇宙と自分たちしかないような恍惚感」←そうこれ。これはもう今後の人生に失われていく感覚なんだろうな、と思いながらテントに入って眠りについた。
中学は捻くれていて、高校は男子校で、大学でもまあ捻くれていたのであまり青春を解放できていなかったのだが、まさしく青春の只中というか最後の残り香みたいな自覚とともに、感傷に浸り散らかした長野旅行であった。。。
③最後に、自分を励ます。
どセンチメンタルな文章になってしまいました。
あの長野キャンプ以降の2年間はしんどかった。追い詰られてどん底の気分だった。
が、まさかその後にまたこういう思い出ができるなんて諦めてたと思う。でもいろいろ都合が重なって実現したワケよ。
今後の人生もまたしかり。君は今後の人生が「40年地獄の会社員生活」などと知ったようなつもりで想像しているかもしれないが、人生は君のような若造に見通せるほど単純にできてはいないんだぞ???
予想もできなかった展開が多分待ってて、新たな美しい記憶を更新すると思って生き続けたまえ、さあ!