オクラ・ししとう

夜中に考えるああでもないこうでもないを貴方に❤️

煙草(やめたい!)メモ 〜禁煙への助走のための記録〜

・お金がないのにタバコだけは吸ってしまう、日日の固定費。そのくせ、初めて吸った頃のような素晴らしい効果をこの頃ほとんど感じない。ただ習性にて吸うだけ。

 

・突然、前触れなくやってくる心の声「タバコやめてえ」

 

・脳内に住うニコチンのプロパガンダか、俺はそれでもタバコに一抹のロマンを感じている。22歳にもなるのに、今だにタバコを吸うときは荒野のガンマンか、場末のバーの疲れた男にでもなったつもりでいることは否定できない。

「タバコを吸わない人生なんて」「タバコ程度の悪が人間には必要なのだ。やめたら真面目人間になりすぎる」これは悪魔の声なのか。自分じゃわからない。

 

・今の銘柄はHOPE。なぜかと聞かれれば「やめたい、捨てよう!と思ったときに残りが10本以下なので未練なく捨てられるから」と答える習いにしている。みっともないな...

 

・初めて吸ったのは17歳。高校生活につまづいて悩んでいた頃にニコチンの鎮静効果の記事を読んだ。そのままコンビニで恐る恐る買いに行った。パッと目についたBOHEMミニを買った。

夜の公園に行った。ヤンキー高校でもなかったので、同級生は誰も吸ってない。人目を忍んで内心ビクビクしながらこっそり吸った。いがらっぽかった。「むせる」というのはこのことか、と思ったが、気持ちは確かに落ち着いた気がした。身体が「シーン」とした気がした。

 

・それからじわじわ吸うようになった。図々しくなってきて地元の友達にも伝授した。両切りピースを思い切り吸って、肺に入れてから息を止めると、クラクラしてくる。それを何度も楽しんだ。

やがて、葉巻でもそれをやってみた。目の前が真っ暗になり、重力が3倍くらいになったみたいに身体が地面に吸われていった。倒れて、動けなくなった。動けないのに意識はあるのが不思議で楽しい。相変わらず身体の「シーン」は得られた。

 

・歌舞伎町、中野ブロードウェイあたりの裏路地、渋谷センター街をくわえタバコで歩くだけで、大きく枠からはみ出た無頼になれた気がした。

 

・大学に入ると、吸ってる人も珍しくなくなった。急にスリルがなくなってつまらなかった。

 

・それでも、飲み会の合間に、初めて飲む相手とタバコを吸うと、今でも嬉しく、格段に美味しい。

・タバコのひとときピックアップ

①ちょい昭和な喫茶店で、昭和で濃厚な思想書ミシェル・フーコーみたいな。読まんけど)を開いて煙燻らすタバコ。

雀荘で牌を並べながら吸うタバコ。

③ちょっと田舎なゴルフ場の休憩所で吸うタバコ(なぜ美味いのか)

④冬、襟を立てて肩を縮こませながら吸うタバコ(殺し屋みたいでカッコいいじゃないか)

⑤風俗の待ち時間のタバコ

⑥久しぶりに気前よく飲んだ!あとの夜の街をよろめき歩くタバコ、または、カールズバー、キャバクラ等で、気持ちよく飲まされながらカッコつけて吸うタバコ(カッコよくないことは理性でしかわかってない)

 

・大学では、好きな女の子ができた。初めての夏合宿、18歳の俺は山中湖を前に例の如く粋がってタバコを吸っていた(ああ、、ダサすぎる!)。

その子に言われた「〇〇くん、タバコ吸ってる限り一生彼女なんてできないね。」やめようと思った。

やめてからちょうど半年になる頃、その子と4度目のデートにこぎつけていた。なかなか肝心な言葉がいえなかったが、最後の最後、改札を通って帰ろうとする彼女を引き止めて告白した。彼女の答えはYES。解散した後、浮き浮きの興奮冷めやらぬまま公園をふらついた。

悪魔(多分そう言っていいだろう)が俺に囁いたのはその時。

「今タバコ吸ったら美味いだろうねえ。。。」身体は自然とコンビニへ向かい、買ったタバコに火をつけた。

 

・吸った途端、あの何とも言えない「シーン」とした静寂が身体を満たした。視界が突如クリアになり、輪郭がくっきりとした。「美味えー〜ー!」

その子と別れてもう長いが、今までしっかりタバコをやめた時期はない。

 

・恋人に誕生日祝いの次の日にフラれていじけながらも行った現場仕事の昼休み。50代くらいのオッチャンと公園で弁当を食った。「あそこはな、芯から組織が腐ってるよ」顔を歪めて吐き捨てるオッチャンはその数ヶ月前、警察官をやめたのだった。お互いにタバコを4本続けて吸った。

 

・結局、センチメンタルな「タバコ賛美歌」に仕立て上げてしまった自分につくづく呆れる。同時に、これは確固とした、ニコチン依存症であり、ニコチンが賛美歌を唄っているのだということがおぼろげながらわかってきた。

 

・高校2年のあの頃、「俺をハブって楽しんでるアイツもタバコ怖くて吸えないんだろうな」と悦に浸って乗り越えられたこと。その自己拡大感覚に多少救われたところはあったかもしれない。

しかし、俺はもう大人になりたいのだ。矛盾するようだが、タバコと、そしてそれに付随する自己拡大感とおさらばすることで大人になれる気がするのだ。

 

・タバコやめられた人のコメントが欲しい。意志が弱いから。